赤字最悪5100億円

withコロナ

ANAホールディングスが過去最高となる5100億円の通期赤字予想を公表し、抜本的なリストラに追い込まれました。
順風満帆に見えた拡大路線は新型コロナウイルスで暗転、旅客需要は消え、収入が激減。雇用維持の大方針は揺らぎ、機材削減で稼ぐ力の先細りも避けられない事態です。コロナ危機はなお続き、公的資金による救済という選択肢もちらつき始めました。

コロナ打撃! 抜本リストラ

「予想を超えるコロナの影響だった」。
記者会見で、厳しい決算報告に続けて事業構造改革を説明した片野坂真哉社長は硬い表情でした。
2010に経営破たんし身を縮める日本航空をよそに、「ドル箱」と言われる羽田空港発着枠で有利な配分を受けたANA。30年に来日客を6千万人に増やす政府目標に寄り添うように、機材調達や国際線の新規路線を拡大し、業績も順調に伸ばしてきました。
財務も堅実な優良企業から、いきなりの急降下でした。傘下の全日本空輸は長年、学生の就職人気ランキングの上位に名を連ねます。それが今、21年度入社分の採用活動を中止し、希望退職も募集しています。「全ての役職員に自助努力として身を切ることに耐える覚悟を」。ANA幹部は今月、労働組合に理解と協力を求めています。

冷徹だった銀行員

感染拡大まっただなかの4月上旬。ANA幹部は首相官邸や永田町をかけずり回っていました。「当社の手元資金は3月に1500億円減りました。(銀行からの)借り入れ条件が悪化しないよう、政府保証でご支援を賜りたい」。自国政府から手厚い保護を受ける海外航空会社を引き合いに出し、同様の支援を訴えました。
霞が関や金融機関は、頭越しの政府保証要請で「政治に走った」と反発しました。官邸も大企業優遇との批判を避けるため、中小企業の資金繰り支援や雇用維持の助成金拡充を優先しました。航空業界支援は当初、空港使用料の支払い猶予にとどまりました。
追い込まれたANAは自力での資金調達にかじを切りましたが、かつて日航の破たんで巨額の債権放棄という煮え湯を飲まされた銀行団は冷徹でした。貸倒リスクが高い「劣後ローン」で資金を出す代わりに、人件費カットや機材削減を含むリストラ策の徹底を要求しました。ANAには受け入れるほか手立てはありませんでした。

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