クラスターなき「第3波」 東京小規模感染が大半

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全国で新型コロナウイルスが再拡大する中、東京都内の増加傾向が従来と異なる様相を呈しています。過去の拡大期に目立った病院や夜の繁華街などでのクラスター(感染者集団)は少なく、家族間などの小規模感染が積み重なって数を押し上げているのが特徴です。対策を打つ明確なポイントがなく、本格的な冬を前にした「第3波」に都庁内では危機感が広がっています。

4日連続3百人超

都内の感染者数は今月に入って急増しており、11日から4日連続で300人以上となったのは今夏のピークに当たる8月6~9日に続いて2度目の高水準です。直近7日間を平均した1日当たりの平均感染者数は今月1日時点の169.3人から14日には296.4人へ大幅に上昇しています。
「急速な感染拡大の始まりと捉え、今後の深刻な状況を厳重に警戒する必要がある」
12日に都庁内で開かれたモニタリング会議では、有識者として参加した国立国際医療研究センター長が強い口調で警告しました。
現状の増加ペースが4週間続けば日ごとの感染者数が1160人に上るとの試算も示し、「『多すぎる』とか『絵空事』と言われるかもしれないが、夏にも同じような状況があり、週単位で急速に増えたのを経験している」と強調しました。

40%が同居人から

今回の増加要因の一つは家庭内での感染です。9日までの1週間で、経路が判明したうち40.7%が同居人からの感染です。病院で200人規模の集団感染が起きた春の「第1波」や、ホストクラブなど夜の繁華街関連で20代や30代の感染者が相次いだ夏の「第2波」とは傾向が異なります。
現在はこれらの場所での大きなクラスターはほとんどなく、家庭内に持ち込む発端となった場所が会食や職場など多岐に及んでいる可能性も浮かびます。年代別でも若年層に限らず中・高齢世代にも広がりがみられています。
ある都幹部は「従来は『ここを封じ込めれば大丈夫』というのがあったが、今回はマスクの着用や手洗いといった基本を呼びかけるしかない」と困惑しています。飲食店に対する営業時間の短縮要請を再び実施する可能性についても、別の幹部は「国が『GoTo』キャンペーンを続けている中では難しいだろう」と否定的な見方を示しています。

五輪中止論に波及

国内全体の感染者数も14日には3日連続で過去最多を更新しています。影響が長引けば来夏の東京五輪・パラリンピックを巡ってくすぶる中止論に再び波及しかねません。欧米の再流行に加え、開催都市・東京での感染拡大は大きな不安要素となりえます。
8日には都内で体操の国際大会が開かれ、本番を見据えた取り組みは着実に進んでいます。都の準備担当者は「以前より少しずつ開催に向けたムードが高まっているので、とにかく感染者を抑えたい。まずは『東京は大丈夫』と世界に示し続けることが重要だ」と話しています。

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