新型コロナウイルス感染症に関する検査について

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2020年5月25日に全国で非常事態宣言が解除されましたが、新型コロナウイルスへの不安はまだまだ拭えません。そろそろ「コロナの話題はうんざり」という方も多いかもしれませんが、2020年3月以降次々と新型コロナウイルスの検査方法が3つも(PCR検査・抗体検査・抗原検査)登場しています。新型コロナウイルス検査についてPCR検査は有名ですが、他にも二つ検査方法があります。
それにPCR検査は有名ですが、どんな検査をするのかあまりよくわかっていない方が多いみたいなので、一度この記事で整理して、スッキリさせておきたいと思います!

PCR検査

新型コロナウイルス感染者数が連日報道されています。ヤフーのトップ記事は常に主要都市の感染者数が上位を独占している日もあるくらいです。そこでよくでてくるワードがPCR検査。

PCR検査を巡っては「検査拡大積極派」VS「検査拡大慎重派」の抗争がメディアやネットで話題となっていました。

PCR検査とは、サンプル中に新型コロナウイルスの遺伝子配列が存在しているのかどうかを検出する検査です。今現在新型コロナウイルスに感染しているかどうかを知るには、PCR検査が通例検査となります。

病原体を捕まえようとするとき、その病原体が最も多くいる口内を狙います。新型コロナウイルスの場合も同様で、そこから採って来ます。

下の図のように綿棒を鼻やのどに突っ込んで鼻咽頭ぬぐい液を取ります。
自己採取可能な鼻腔スワブ検体による 新型コロナウイルスPCR検査が国内で可能に SARSコロナウイルス核酸キット「コバス SARS-CoV-2」添付文書改訂

インフルエンザの検査の時によくやるこの方法。綿棒を鼻に突っ込む場合、上手い方と下手な方がいます。わたしはよく下手な方にあたり、激痛を我慢していました。また、これをやられるとかなりの確率で患者さんは咳やくしゃみをします。咳やくしゃみをすると、すごい勢いで唾液・粘液の飛沫が周囲に飛び散ります。

これは大変困ったことで、マスク・ゴーグル・防護服を毎回変えて掃除を徹底したとしても感染リスクの増大は否めませんでした。

そこで、唾液(だえき)をサンプルとしたPCR検査が6月に保険認可されました。この検査は、発症から9日以内の方に限定して行われます。なぜかというと、唾液中の新型コロナウイルスは発症から10日を過ぎると減っていくからです。

しかし好都合な事に、発症から数日間は、新型コロナウイルスは「のど」からも「だ液」からもほぼ同じ感度で検出されるというデータが出てきています。

唾液検査は容器中に自分で「つば」を出せばいいだけなので(2ml必要なので溜めてから出していただきます)、患者さんも痛い思いをしないし、咳やくしゃみによる飛沫も発生しません。


PCR検査を受けるには?

上記の自費検査は別として、新型コロナPCR検査は、現在各都道府県にある感染症指定医療機関と地域のPCRセンターで行っています。

患者さんが検査を受けるまでのフローは、この2タイプの施設で異なっています。

帰国者・接触者外来もしくはそれと同等の機能を有する医療機関の場合
□その病院を受診した患者さんに対して医師が必要と判断すればPCR検査を行います。

地域のPCRセンターの場合
□PCRセンターでは地域のクリニックなど医療機関からの紹介患者さんの検査を行います。PCRセンターへ直接行っても検査を受けることは出来ません。

PCRの欠点

なぜ国内でPCR検査数が増えないかについては様々議論がありましたが、背景に以下のような事情があります。

●PCRを行うには様々な試薬を混ぜる過程があり、ある程度熟練した臨床検査技師が必要
●試薬を入れて反応させるための、高価かつ場所を取るサーマルサイクラーという機械(下の写真)が必要
●結果が出るまで数時間が必要

遺伝子実験機器 : サーマルサイクラー LifeTouch | 和研薬株式会社 WAKENYAKU CO.,LTD.

他に代わりになる検査はないのでしょうか?そこで、次にあげる抗原検査が登場しました。


抗原検査

新型コロナウイルスに対する抗原検査はこの5月に保険認可されました。

PCR検査がRNAを増幅して検出するのに対し、抗原検査は新型コロナウイルスに対する抗体を用いて抗原を見つける検査です(抗体と言うものは、抗原に接すると抗原抗体反応で強力にくっつくのです)。

PCRと違って標的を増幅させることは出来ないため、検出にはより多くのウイルスが必要であり、PCRに比べて感度が劣ります(偽陰性が多くなります)。では、なぜそんな検査が認可されたのでしょうか?

それは、抗原検査には

□30分程度で結果が出る
□特別な検査機器や試薬を必要としない
という大きな利点があるからです。 このため、抗原検査はPCR検査と組み合わせて活用することが予定されています。

抗原検査はどこで受けられるの?

新型コロナ抗原検査は、まずは患者発生数の多い都道府県における帰国者・接触者外来等から供給を開始していくことになっています。東京など大都市の帰国者・接触者外来を受診した患者さんに対し、医師が必要と判断すれば抗原検査を行います。

PCR検査、抗原検査と来て、最後は抗体検査です。タレントのマドンナさんが抗体検査を受けて、

「検査検査陽性!明日ドライブに行く!」

とインスタにアップして話題になったのも記憶に新しいですね。

PCR検査と抗原検査がウイルスそのものをつかまえる検査なのに対し、抗体検査はウイルスに感染した人の体内で作られた抗体を検出するというで大きく異なります。

つまり、抗体検査はその人が過去に感染した痕跡を探す検査であって、今感染しているかどうかを調べる検査ではありません。では、感染からどのくらい経ったら抗体検査で検出できるのでしょうか?

抗体検査 IgG IgM

上図にあるIgGとIgMというのが抗体のことです。IgGもIgMも、発症9日後くらいから上がり始め、2週間半でピークに達しますが、IgMの方は発症後6週もするとかなり下がってますね。

一方、IgGの方は6週後でも高いままです。数年後、新型コロナウイルスIgGがどうなるかは今後のデータ待ちですが、多くの感染症で数年間に渡って高値のままです。

なので、

☑IgM陽性は、過去数週間以内の感染を示す。
☑IgG陽性は、過去数年以内の感染を示す。
抗体検査で分かる事は以上です。

くどいようですが、今現在ウイルスに感染しているのかどうかは分かりません。

また麻疹やおたふくかぜのように、一度かかってIgGが陽性になれば「終生免疫」といって二度とかからないとされていますが、新型コロナウイルス感染症の場合はIgGが陽性だったからといって今後新型コロナウイルスには罹らないと言えるのかどうかはまだはっきりしていません(なにせ新しい感染症なので、データが出て来るのはこれからです)。

抗体検査はどこで、どうやって受けるの?

抗体検査は(PCR検査や抗原検査とは違って)保険認可されていません。各医療機関で、自費検査として自由に行っています。


まとめ

新型コロナウイルスのPCR検査、抗原検査、抗体検査についてまとめました。

簡単に言うと、

●今現在の新型コロナウイルス感染を疑ったらまずはPCR検査。
●抗原検査は簡便だが精度が劣り、PCRの補助的な位置づけ。
●PCR検査も抗原検査も保険認可されており、原則医師の判断で行う。
●PCR検査のサンプルは鼻咽頭ぬぐい液と唾液の2種類の取り方がある。
●唾液のPCR検査は無症状の人を対象に自費で行う医療機関が増加中。
●抗体検査は完全自費で、過去の感染を知りたい無症状の方向け。
といったところです。それぞれの検査の違いがおおかたお分かり頂けたと思います。

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